Details
- Autor(en) / Beteiligte
- Titel
- 空洞内部を気管支鏡で観察し得た肺扁平上皮癌の1例
- Ist Teil von
- 気管支学, 2022/09/25, Vol.44(5), pp.371-376
- Ort / Verlag
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
- Erscheinungsjahr
- 2022
- Quelle
- Free E-Journal (出版社公開部分のみ）
- Beschreibungen/Notizen
- 背景．肺癌の空洞形成は決して稀ではないが，臨床経過中に空洞内腔を気管支鏡で直接観察したという報告は少ない．症例．71歳男性．前医での胸部CTで右上葉に腫瘤影が認められ，精査目的で当科に紹介となった．気管支鏡検査では右上葉入口部に腫瘍の浸潤を認め，直視下生検で扁平上皮癌と診断した．化学療法を計6コース施行後，腫瘍は縮小し，内部に空洞を形成した．その後無治療での経過観察中に空洞壁が肥厚し内部に少量の液体貯留を認めた．胸部CTでは右上葉支と空洞は交通しており，肺癌の増悪や空洞内への細菌・真菌感染の鑑別を要したため，気管支鏡検査で内腔観察を行った．空洞内部は白色隆起性病変や灰白色～緑色調の粘膜病変を認め，気管支洗浄や直視下生検の結果，扁平上皮癌のみ検出された．結語．本症例は，空洞内腔を気管支鏡で直接観察し培養や組織採取を行うことで，病態の正確な評価が可能となった．